2020年読んでよかった本9選

date
Dec 29, 2020
slug
recommend-books-2020
status
Published
tags
book
summery
summary
type
Post
2020年はコロナショックで自粛期間も多く、たくさんの本(191冊)と出会えた1年だった。
その中で読んでよかった本を9冊にまとめてみる。
 

1.「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義

 
宗教的背景は排除し、誰もが迎えるであろう「死」について体系的に論じている本
魂は存在せず、不死は良いものではないと主張していて、死を恐れることは死に対する適切な反応ではないこと、自殺は特定の状況下では合理的にも道徳的にも正当化するかもしれないことなどが理解できる。
 
 

2.「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考

 
モノの見方が変わり、1枚の絵画を見る目が変わった本
特にピカソが「1つの視点から人間の視覚だけを使って見た世界」である遠近法に疑問を持ち、「さまざまな視点から認識したものを一つの画面に再構成する」手法をとったことを知ってハッとした。
中学時代、美術の筆記テストで97点を取っても5段階で4しか取れなかった自分に教えてあげたい
 
 
 

3. 愛するということ

 
哲学者エーリッヒ・フロムの本。愛について語っている本でこの本以上をまだ知らない。
「愛は技術であり、学ぶことができる」, 「愛は人間のなかにある能動的な力である」とか名言はたくさんあってキリがないが、根本にあるのは「愛される」のではなく「愛する」ための本であるところ。
旧訳で読んだけれど、今年新訳が出たらしい
 
 
 

4. 寝ながら学べる構造主義

 
ソシュール、フーコー、バルト、ラカン、レヴィ=ストロースといった思想家がどのように考えていたのかがなんとなくわかる本。
自分たちが自由に考えたり行動していると思っていることは実際はそうじゃない。
 
私たちはつねにある時代、ある地域、ある社会集団に属しており、その条件が私たちのものの見方、感じ方、考え方を基本的なところで決定している。 だから、私たちは自分が思っているほど、自由に、あるいは主体的にものをみているわけではない。むしろ私たちは、ほとんどの場合、自分の属する社会集団が受け容れたものだけを選択的に「見せられ」「感じさせられ」「考えさせられている」。そして自分の属する社会集団が無意識的に排除してしまったものは、そもそも私たちの視界に入ることがなく、それゆえ、私たちの感受性に触れることも、私たちの思索の主題となることもない。 私たちは自分では判断や行動の「自律的な主体」であると信じているけれども、実は、その自由や自律性はかなり限定的なものである、という事実を徹底的に掘り下げたことが構造主義という方法の功績なのです
 
 
 

5. 2020年6月30日にまたここで会おう

 
2019年に亡くなられた滝本哲史さんが、2012年に東大で行われた講義をまとめた本
新しくて正しい理論は、いかにそれが正しくても、古くて間違った理論を一瞬で駆逐するようなことはなくて、50年とか100年とか、すごい長い時間をかけて、結果論としてしかパラダイムはシフトしない。
ただ、若者が正しい選択をし続けることで正しいパラダイムシフトを起こせる。
 
社会変革というのは、ひとりの大きなカリスマをぶちあげるよりも、小さいリーダーをあちこちにたくさん作って、その中で勝ち残った人が社会でも重要な役割を果たしていくというモデルのほうが、僕は、はるかに健全だと思っています。
 
 
 

6. 良い戦略・悪い戦略

 
タイトル通り、良い戦略と悪い戦略について事例を交えながら解説している
こういうビジネス本は実践が命なので時間が経てばもう一回読み直したい
それにしてもハンニバルはどこでも賞賛されている
 
 

7. ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 
イギリスで公立中学に通う一人息子の葛藤と成長を母親目線で描いたエッセイ
外国ではびこる移民、人種、格差の問題を追体験できる
 
「自分たちが正しいと集団で思い込むと、人間はクレイジーになるからね」
 
 

8. 世界は贈与でできている――資本主義の「すきま」を埋める倫理学

 
贈与論についての本。資本主義が支配する現代社会において、人との繋がりなどは捉えづらい。 「贈与」と「交換」の違いも含めて 「贈与」を通しての親の愛情やコミュニケーションのあり方を考察している
 
 

9. サードドア: 精神的資産のふやし方

 
大学生が世界的な成功を収めた著名人に体当たりでインタビューを重ね、「成功するきっかけ」を探す物語
実体験なだけあって上手くいかないことがほとんど。それが映画のよう。
 
人生、ビジネス、成功。どれもナイトクラブみたいなものだ。常に3つのドアがある。ファーストドア。99%の人が並ぶ正面入り口。セカンドドア。選ばれた人だけが利用できる入り口。普通に生きていたら、この2つのドアしかないような気分になる。 でも、裏道を駆け抜け、何百回もノックして窓を乗り越え、キッチンをこっそり通り抜けたその先に「サードドア」は必ずある。
 
 
 

その他読んでよかった本

タイトルだけ羅列
 
 

© daisukesone 2021 - 2024